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最高裁判所第三小法廷 昭和43年(あ)2408号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人西村真人の上告趣意は、憲法三一条違反をいう点は、実質は原判決の刑罰法規の解釈を非難する単なる法令違反の主張であり、その余は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であって、いずれも上告適法の理由にあたらない(なお、金融機関の役員が、その地位を利用し、自己又は当該金融機関以外の第三者の利益を図るため、金員の貸付をなす以上、その貸付資金が当該役員個人のものであっても、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律三条の規定に違反することになると解した原判決の判断は、相当である。)。

弁護人島田武夫、同島田徳郎の上告趣意は、憲法一四条、三一条違反をいう点もあるが、実質はすべて事実誤認、単なる法令違反の主張に尽き、適法な上告理由にあたらない。

また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 飯村義美 裁判官 下村三郎 裁判官 松本正雄 裁判官 関根小郷)

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